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おしえてムーラン

インフレ時代に有効な政策はあるのか?

私がこのコラムを担当するのは三ヶ月に一度ですが、前回は物価の上昇について記しました。また、この物価上昇、すなわちインフレが、需要の増加による“良いインフレ”ではなく、化石燃料等の輸入されるモノの値上がりと円安差損からくるコストの上昇による“悪いインフレ”である旨を記しました。

 コロナ禍とロシアによるウクライナ侵攻は経済的に負の影響を与えていますが、どのような局面にあっても、現実の事象を利用し望ましい方向に転換させるしたたかさが欲しいところでもあります。

 但し、現実の事象を利用するからには、①その現実の正確な把握と、②それに対する、これまで考えられていた有効と思われる対策が有効か否かの検証が必要であると思います。

【そもそもインフレのナニがいけないのか】

 コロナ禍以前から日本の景気は芳しくなかったのですが、2001年3月に日銀は量的緩和政策を導入するとともに、消費者物価指数を0%以上とする目標を掲げています。その後1%程度を目途にするように改められ、更に2013年1月に目標値を2%に引き上げています。金融緩和政策―要はお金を市中に多く回すことで消費の拡大、すなわち有効需要を増加させることにより、ディマンド・プル・インフレを実現しようとしたわけです。硬い表現になりますが、経済学的にはとてもオーソドックスな方法であると思います。

 マクロ経済学の入り口である有効需要の原理からすれば、有効需要の要素は①消費、②設備投資(家計においては住宅投資)、③政府支出が主なものとして挙げられます。

 ①の消費は可処分所得により左右されますから、減税も有効需要創出の後押しとなるものです。いずれにしても思惑通りに消費や設備投資の拡大により物価が上昇し、また、お金の調達費用である金利が健全な範囲で上昇していくことが、そもそも金融政策の目的であると言えます。今回は“悪いインフレ”であるため問題視されているのであって、インフレ自体が悪いわけではありません。

 このように考えると、教科書的なコスト増が“悪”よりも、問題の本質は実はとても単純で、物価が上昇しても収入が、それに見合って上昇していないので、実質賃金率(実質     所得)が低下し消費意欲=需要が拡大されないということだと思います。

【どのような政策が有効なのか】

 経済政策は、①金融政策と②財政政策に分けられます。金融政策については海外の多くの中央銀行がインフレ抑制のために金融引締めに動いていますが、日銀は金融緩和策を継続しており、そのため、他国より金利水準が低くなり、円安が進み、輸入コストの上昇という流れなのですが、だからと言って他国同様に引締めに転じたらいいのかと言えば、私は違うと思います。

 円安は生産コストや実生活面での生活費の上昇を招く一方で、輸出を核とする企業にとっては追い風でもあります。

 結局のところ、実質所得を上昇させる間接的な政策は、政府支出=公共投資が代表的なものであって、理論的には、その波及効果が及んでいく乗数理論に基づいた政策が続いてきましたが、理論の面からも公共投資は長期的にはクラウディング・アウト(公共投資等の結果、実質利子率が上昇し、民間投資の減少を招くなど抑制的な影響を与えてしまうこと)の原因となるであろうことを考えれば、低所得者層に、生活必需材(電力、あるいは衣食住に直結するもの)に関する配分的措置を施すのが有効なのではないかと個人的には思います。

 但し、いわゆるバラまきの恩恵に預かる人に対しては、財政出動は“純粋公共財”(警察等の公共サービスをだれでも均等に受けるとこができること)とは別物であるという意識を健全に植え付ける方策も講じないと、不公平感と堕落を生んでしまうと思います。

おしえてムーラン

自分にとっての「生きたお金の使い方」を考えよう

私たちのライフプランは、昭和→平成→令和と時代が移り変わるとともに、生活様式や考え方が変化して、多種多様な生き方を選択できるようにもなってきました。20代、30代、40代、50代で家族構成や生活環境が変わりますし、年を追うごとに健康面やお金の面でも何かしらの変化があって当然だと思います。

最近、考えるようになってきたのは自分や家族にとっての「生きたお金の使い方」についてです。私自身は妻、小学生になった娘、保育園に通う息子がいて、毎日楽しく生活していますが、新型コロナウイルスがまん延していた2年間は、青森県を出ることも出来ず、旅をして新しい体験をさせてあげることができないでいました。子供たちにとっての「体験不足」です。感受性が豊かなうちによりたくさんの経験をさせてあげることが、子供の将来にもつながると考えていました。

2022年に入り、少しコロナの感染者数が落ち着きを見せ、県外への移動の規制も緩和されてきたところで、「家族での思い出作り、新しい体験作りをさせてあげたい!」という夫婦の想いがあり、ここ3ヶ月の間に、岩手県、宮城県、そして弘前市、黒石市、八戸市、鶴田町、つがる市、むつ市など、多くの場所を巡ってきました。

岩手県では、RABラジオを聴いていて気になっていたサラダファームヴィレッジを訪れて岩木山の麓でアルパカさんと戯れ、盛岡駅では新幹線の連結を見学。子供たちがプラレールを好きなこともあり、はやぶさ・こまちの連結を大興奮で見ていました!宮城県では、子供たち憧れの新幹線で仙台まで移動して、仙台うみの杜水族館の巨大水槽やアンパンマンミュージアムを楽しみ(大人は利久の牛タン弁当をテイクアウトで楽しみ)、青森県内では鶴の舞橋、つがる地球村で自然を満喫し、八戸市では蕪島を訪れたくさんのウミネコに囲まれながら非日常の体験などもしてきました。

むつ市には、妻が娘と息子を連れて、はじめて3人だけで野辺地駅を乗り継ぎ、仕事でむつ市に先に来ていた私と下北駅で合流するなど、子供たちにとってもひとつ大きな経験になり、ここ何ヶ月かで少し大人びたような気もしています。

交通費、宿泊費、その他費用は毎月の支出よりも多くかかりはしましたが、今しかない、かけがえのない4人だけの時間を一緒に過ごすことがきました。青森県を含めて、たくさん素敵な場所や風景がある、という記憶が少しでも残るでしょうし、遠くまで自分も来れた、という経験をすることが出来たのではないかと思っています。あと、10年も経つと、友達もたくさん出来て、家族で出かける機会も今よりは少なくなってしまうかもしれません。

そのように考えていくと、老後のためにお金を貯める、積み立てる、運用するということはとても大事ですが、「今しかできない体験や経験のためにお金を使う」ということもより大事だとあらためて気づかされています。若い時に使うお金の価値と年齢が高くなってから使うお金の価値は違う、というようなことも言われていますが、まさに若い時には多くの体験や経験をすることで、一味違う人になれていることもあるでしょうし、人間的にも同世代よりも深みのある人になれるかもしれません。また、50代以降、何かしらの病気をしてしまったり持病を持ってしまうことで、本当は旅行に行ったりいろいろなところに出かけたりしたいのに、遠出することができなくなってしまった…という方が私の周りでも多くいらっしゃいます。

なので、健康と気力があるうちにお金を体験や経験に使ってみることと、老後を穏やかに過ごすために少しずつ蓄えていくことのバランス感覚がより重要なのかもしれません。楽しみや趣味を一つとっても、お金は必要だけれどもアクティブなスポーツは若いうちしか経験できないかもしれませんし、お金はあまり必要ないけれども年を重ねてからこそ体験できる深みのある趣味だってあると思います。

あなたが考えている、「お金はかかるかもしれないけれども、今しかできないこと」は何ですか?自分自身に問いかけてみて、ライフプランの中で、より満足度の高いお金の使い方をしてみてください。

おしえてムーラン

マイナンバーカード、申請されましたか?

みなさんはマイナンバーカードを申請されましたか?いまだにマイナンバーカードの交付を受けずに紙の“通知カード”を手元に所持している方もいらっしゃると思います(私もつい最近までその1人でした)。

総務省のデータによると、2022年3月時点での青森県のマイナンバーカードの交付率は約37%(全国だと約42%)。私以外にもまだ通知カードを使っている方がいるんだ、と思うと何だかホッとしたりして(笑)

さて、この“通知カード”ですが、2020年5月25日をもって新規発行などの手続きが廃止されました。

廃止されたとこで何が困るの?とお気楽に考えていた過去の自分…今更ですが反省しています。

 では、通知カードとマイナンバーカードは、そもそも何が違うのか。主な相違点は3点。

改めて確認したいと思います。

<①素材>

通知カードは「紙製」で、顔写真も無く、住所などの個人情報とマイナンバーが記載されています。マイナンバーカードは「プラスチック製」で顔写真も載っているので、公的な身分証としても利用でき、いずれ運転免許証の返納を考えている私にとってはどうやらありがたい存在のよう…。とは言え、なかなかマイナンバーカードへ切換する踏切りがつかないままでいました。それもこれも手続きへの“面倒さ”を感じていたためです。ですが、面倒だとか言っていられない程、気が付いたら世の中はマイナンバーカードを使用した行政サービスが増えていました。

<②使用の用途>

 そもそもマイナンバー制度は「社会保障」「税」「災害対策」の分野に限定して、複数の機関に在る個人情報が同一人物のものであることを確認し、必要な行政サービスを速やかに行うために設けられました。

今まで私がマイナンバーを求められたのは主に「税」分野でしたが(確定申告や給与関連、投資商品の購入など)、これから年齢重ねるにつれ「社会保障」の分野でもお世話になるのは目に見えています…。

また、わざわざ市役所へ行かなくても、近所のコンビニで住民票や印鑑証明書等を発行でき、健康保険証がわりとして使える(自治体による)なども、私には便利に感じ、マイナンバーカードへの切換に至りました。

なお、マイナンバーカードには有効期限があるため更新が必要です。20歳未満なら発行から5回目の誕生日まで(5年間)、20歳以上なら発行から10回目の誕生日まで(10年間)です。

<③保持している人>

 通知カードは行政から住民票のある住民全員に個々のマイナンバーを通知するために発行されました。マイナンバーカードは申請した人のみが受け取ることができます。

 最後に通知カードを持ち続けた場合についての留意点を書き留めます。

通知カードの記載内容に変更がなければ、特に不利益なく利用できます。

ただし、通知カードのままであれば、

・何らかの手続きの際、運転免許証などの本人確認書類が別途必要。

・通知カードそのものが法改正により廃止されたため、再発行や登録情報の変更はできない(結婚などで氏名変更や引っ越しで住所変更があった場合などは、通知カードの登録情報が変更になるため、通知カードの利用ができなくなり、マイナンバーカードの発行や、マイナンバーが記載された住民票の交付を受ける必要があります)。

マイナンバーカードを所持している方も、登録情報に変更のあった日から14日以内に住所地を管轄する役所への提出をお忘れなく!

おしえてムーラン

インフレの到来

モノの価格が上昇しています。

 日本では長くデフレが続いていました。不景気に追い打ちをかけるようなコロナ禍に見舞われているのに、不動産関連でも建物価格は高騰しています。

コロナ禍の中で景気を支えるために、多くの国でお金を大量に市場に供給しました。この供給されたお金が設備投資や生産・消費にいい塩梅で行き渡るのが望ましいのですが、先行きへの不安や、コロナの渦中であるがために消費の場も相対的に限定されたためか、お金の行き場は狭められたようです。

 一方では、コロナによる物流の停滞によってモノ不足も生じたため、このような要因からインフレが始まったと思われます。

 そしてさらに、ロシアとウクライナの紛争による原油などのエネルギー資源や小麦粉などの農業生産物の供給不足も相まって、物価の上昇を生じさせています。

<為替の影響>

 世界的に緊張が高まると、日本の円は信用度が高く、これまでは対外貨レートで円高となっていましたが、今は円安の傾向となっています。

 円安だと外国のモノを輸入するときに、お金を多く用意する必要があります。エネルギー資源の輸入依存度の高い我が国にとって円安もまた、インフレ圧力となります。

<金利について>

 金利はお金の調達費用です。

 長く不景気の続く日本では未だ金利が極めて低い水準にありますが、アメリカでは金利が引き上げられ始めています。

 世界のお金は、金利の高いところへと集まります。金利が高いと利息が多くもらえるからです。他国と比べて金利が低水準の状態が続けば、円安が続くことになり、インフレ要因が根付くことになります。

<インフレの種類>

 経済の教科書的に言えば、インフレには“良いインフレ”と“悪いインフレ”があります。

“良いインフレ”はディマンド・プル・インフレとも言われますが、需要が旺盛になることが主とした要因で物価が上昇することです。

“悪いインフレ”はコスト・プッシュ・インフレ、すなわち原材料などの製造費用が増加することに伴うインフレです。

 現在の状態は、言わずもがなです。

<インフレへの対処法>

 インフレは物価の上昇ですが、お金とモノとの関係で言えば、お金の価値が下がり、モノの価値が上がることを意味します。

 これまでの常識では、インフレ時にはお金をモノに変えたほうが良いとされてきました。

 ここで言う“お金”は現金や預貯金の他、長期固定金利の国債などを指します。他方”モノ“は金(きん)や不動産の他、これらに係る金融商品を言いますが、株式も金融資産の一種でありながらここでいう”モノ“に分類されます。

 インフレ時にお金をモノに変えるとよいことに異論は無いのですが、モノであれば何でも良いわけではありません。

 不動産を投資目的で購入しても、長期的に見て価格が下落したり、収益物件であれば賃料の下落により思った収益があげられないこともあります。株式や株式投資信託にしても価格変動リスクは当然にあります。

 経済的に各人が自身の身を守るためには、ある適度の知識を得て、経験を積みながら自分に合った時代への対処法を身につけることが必要となります。

 今年度から文部科学省が定める「学習指導要綱」の改訂により高校での金融教育がスタートしました。大人でもFP資格を取ることを目標に勉強するなど知識を得る方法はいくらでもあると思います。但し、表面的な知識だけでは現実の社会で資産を守り形成することは困難です。知識を得るとともに経験も持続的に積んでいくことが大切だと思います。

<具体的な経験の開始の提案>

 特に資産形成の手段を講じたことがない人にとっては、何からどのように始めればいいのかわからないという人も多いと思います。

 最初から多額の資金を投じることは危険を伴いますので、例えば①月に3000円程度で積立型の投資信託や純金積立を始めてみる、②10万円位から株式投資を始めてみるなど、無理のない程度でスタートするのが良いと思います。

 混沌とした世の中にあっては、何もしないことが最も大きなリスクだと思います。

 小さな損と小さな得を繰り返しながら自分に合った資産形成方法を見つけていくことは、自分や家族のためになるだけではなく、社会に負担をかけないという意味において結果的に社会貢献することにもなります。

おしえてムーラン

最近よく聞く言葉 NFTとは?

あらゆるもののデジタル化の流れで、流行についていくのはなかなか大変になってきているかもしれません。最近受講した、生命保険会社主催のセミナー・研修でもメタバース(いわゆる仮想空間)にてセミナーが行われ、あたかも自分やその他の参加者がセミナー会場にいるかのような空間にて、いろいろな話を聴講できるというものでした。コロナの影響で大多数の人が集まれる機会は限られていますが、このメタバースの利用がさらに広がってくるかもしれません。 

そして、最近、テレビなどでも良く聞くようになったNFT。ノンファンジブル・トークンの略で、『世界にひとつで唯一無二のデジタル資産』という風に捉えられます。このNFTが、アート、前述のメタバース、ゲーム、スポーツ、カード、ファッション、音楽などの領域と結びついて、価値を作り出していると言えます。

私が驚いたものとしては、NFTアートが広く知れ渡ることにもなった「CryptoPunks(クリプトパンクス)で作成したキャラクターが何と何千万円もの値段がついて取引されていることでした!ツイッターのアイコンなどに利用できそうな、シンプルかつデジタルなキャラクターの顔にそんな値段がつくなんて凄い!という驚きでした。

また、TheSandBox(ザ・サンドボックス)というNFTをベースにしたゲームがあります。仮想空間の中にLAND(土地)を購入、レンタルすることで、独自のゲームやアイテム、キャラクターやサービスを作成することができるゲームです。LANDと呼ばれるメタバース上の土地は大手企業が購入するなど、本物の不動産と同じような動きも見られます。SANDと呼ばれるゲーム内通貨(暗号資産)を使用し、作ったアイテムをNFTマーケットプレイスで出品したり、作ったゲームやジオラマを他のプレイヤーに有料で提供したり、LANDを利用して不動産収入を得ることもできます。ゲームをしながら、ゲーム内通貨と現実のお金との交換が出来る仕組みになっていることは特に興味深いところです。

また、スポーツ分野のNFTとしては、選手のトレーディングカード、日本ではJリーグのチームや選手がFiNANCiE(フィナンシェ)で独自のトークンを発行して、活動資金を調達する動きも出てきています。世界有数のサッカーチームも、独自トークンを発行する仕組みを整えてきていて、スポーツ分野との関わりも相性が良さそうです。

これらの大きな動きがみられるNFT市場ですが、実際にどこで買えるの?という疑問が出てくると思います。NFT取引は、OpenSeaや日本のCoincheckNFT(β版)などのマーケットプレイスにて取引をすることができます。コインチェックは日本で初のマーケットプレイスで、上場している暗号資産にて取引をすることができるようです。私の知り合いも最近、NFTを購入してみたようですが、新しい形での所有の仕方だとおっしゃっていました。NFTの購入もだんだんと身近なものになってくるかもしれません。

今までは、株式、債券、投資信託、そして金などが伝統的な資産ですが、こういったNFTなどのデジタルなものも、時代と共に資産のひとつとして、価値のあるものとして捉えられてくるのかもしれません。有形資産から、無形資産へ…。時代の流れに取り残されないように、情報を収集しておくことも大事になってきますね。

おしえてムーラン

ESG投資って何?

今回のテーマは「ESG投資」。ESGというものがどんなものかさえ、きちんと知りませんでしたし、また、なんだか似てるなぁと感じていたSDGsについてもこの際きちんと調べてみようと思いました。

 そもそもESGとは何か。

「E=Environment(環境)」「S=Social(社会)」「G=Governance(企業統治)」の頭文字を取った言葉で、企業が取り組むべき課題とのこと。

具体的には、以下のような取り組みです。

「E」・・・二酸化炭素の排出削減、製品を作る際に再生可能エネルギーを使用している、廃棄物を減らす取り組みをしているなど。

「S」・・・人権やダイバーシティへの取り組みなど。(日本では、人権や少子高齢化による労働力人口減少という社会課題に対応し人材確保のため、ダイバーシティが重要視されるように。)

「G」・・・積極的な情報開示をするなど、企業自身の管理体制を強化すること。

では、SDGsとは何か。

「S=Sustainable(Sustain:維持する+able:できる=持続可能な)」「D=Development(開発)」「Gs=Goals(ゴール)」の頭文字を取った言葉。

国際連合広報センターのホームページには”将来の世代が、そのニーズを満たせる能力を損なうことなしに現在のニーズを満たす開発”とあります。

結局のところ、SDGsは国連の持続的な開発目標で”各国”の政府や企業、個人を対象としたもの、ESGは企業や投資家が取り組むべき課題であり…『世界的規模のSDGs実現のためには、企業や個人レベルからのESGへの取り組みが必要』なのだと、私は思いました。

(SDGsについて:「世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題といった課題を、世界のみんなで2030年までに解決していこう」という計画・目標。17の目標と169のターゲットから構成されています。詳しくは総務省や国連のホームページをご覧くださいね。)

 ここまでくると、本日のテーマ「ESG投資」についても、頭文字を見るとどんな投資なのか、想像つくかもしれませんね。

ESG投資とは、環境・社会・企業統治に配慮している企業を選別して投資すること。欧米を中心に、今では市場規模が世界レベルで広がっています。

ところでESGは「持続可能な」社会づくりに貢献する、ということでした。

つまり、投資商品として考えると、長期投資の分類になるということです。

そもそも、ESG投資を個人の投資家が行いたいと考えた場合に、どのような選択肢があるのでしょうか。

現時点で考えられるのは「自分でESGに取り組んでいるであろう企業のIRや第三者機関によるESG評価を直接取り寄せて検討する」または「ESGに特化した投資信託に投資する」のどちらかなのかな、と思います。

…もし、私がESG投資するとしたら、自分で企業レポートや第三者機関の評価を取り寄せたりするなんて大変そうだなと思うので、投資信託を購入する方法で考えることになりそうですけどね(笑)

 ESGにしろ、SDGsにしろ、内容に共感し取組む企業が世界規模で増えているのは事実です。実際に日本でも昨年は新疆ウイグル自治区の強制労働報道により、ウイグルの綿花の使用を禁止するアパレル企業が続出したり、ワークライフバランスの取り組みの強化、地方への企業進出による雇用の創出などが行われています。

私自身としては、ESG投資を行うとまではいかなくとも、食料品や消耗品等、日々の消費行動のなかで、ESGやSDGsに配慮した生産者の製品を購入することで、自分のお金をまわせていけたらと思う次第です。

おしえてムーラン

東証再編

東京証券取引所が、1月に4月4日からスタートする新しい市場区分への企業の所属を発表しました。東証はこれまでの1部、2部、マザーズ、ジャスダックの4市場から、プライム、スタンダード、グロースの3市場に再編されます。

再編するねらい

東証が市場区分を再編するねらいは、①市場コンセプトの明確化②企業価値向上の動機付けの二つです。東証1部は2185社(1月5日現在)ですが、このうちプライムに移行するのは1841社ですから300社以上はスタンダードに移行することになります。2013年に東証と大阪証券取引所が統合した際、大証にあったジャスダックをそのまま維持したため、成長が期待される企業の多いマザーズとの違いも不明確なまま放置されていました。こうしたことも踏まえた上で、最上位市場においても、その求める基準を高め、企業に努力を促す目論見もあります。

アメリカ市場と比べた現状

その高められた基準を満たすプライムに移行する企業であっても、欧米に比べれば相当に見劣りすると言われています。上場企業の時価総額の中央値(時価総額を大きい順に並べた真ん中の位置で、その市場の標準的な企業規模を示すもの)は、約599億円ですが、ニューヨーク証券取引所の3分の1以下です。また、プライムの時価総額の単純平均は、約3950億円ですが、これもニューヨーク証券取引所の約5分の1程度。さらにアメリカの巨大企業の時価総額は、約390兆円のアップルを筆頭にマイクロソフト、アルファベットなどがひしめいていますが、日本はトップのトヨタ自動車でさえ37兆円ですから、アメリカのトップの10分の1ということになります。

解散価値等の視点

プライム企業は、PBR(株価純資産倍率)においても市場評価の低さが目立ちます。PBRは株価の1株当たり純資産に対する割合を示しますから、1倍で解散価値相当ということになります。その1倍を下回る企業はプライムの46%に上ります。これは企業が投資家の求めるリターンを上回る利益を上げられていないことを意味します。

期待される効果

このような状況下にあって、今回の再編で期待されるのは、企業の新陳代謝を促すことに集約されます。本来東証1部は、選ばれた優良企業のみが集まる最上位市場だったはずなのですが、東証は上場企業を増やすことが使命とばかりに上場基準の緩和を行ってきました。これからは、経営不振企業をプライムから退出させたり、グロースやスタンダードから将来有望な企業を育てプライム移行を促すなどの活性化が求められます。

TOPIX採用基準の変更

TOPIXは、東証1部のすべての銘柄で構成される東証株価指数の略称です。日経平均株価が、東証1部上場のうち各業種を代表する企業など225社に絞られた指数であるのに対し、東証1部の全体を表すものです。日本株への投資は、6~7割は外国人と言われますが、指数構成銘柄を全般に買って運用するインデックスファンドからの資金が入ると、株価総額の小さい銘柄が割高になるという問題があります。また、海外投資家にとっては、日本株の購入銘柄が多いほど資産管理銀行に払う管理費用が多くなるというデメリットがあります。管理や売買のコストが大きくなると指数以下の運用成績になりかねません。今後は、株式数から大株主の持分など、流動性を欠くものを除いた流通株式時価総額ベースで100億円以上がTOPIXの採用基準となります。但し、いつから新基準が適用されるかは、1月13日現在不明確で、4月1日の東証1部銘柄を採用した指数で、当面は発表されるとのことです。

おしえてムーラン

今後発行される新しいお札と500円硬貨の登場

日常生活でのコンビニエンスストアの利用や、飲食店でのテイクアウトなど、キャッシュレス決済の方法が多様化してきている中、まだまだ現金での支払いは多いものです。


では、あなたが今使っているお財布に入っている千円札に描かれている人物は、誰が描かれているでしょうか?すぐにパッと思い浮かびますか?今、私たちが使っている千円札は、「野口英世」ですね。2004年に科学者として初めて日本の紙幣に採用されています。ちなみに、裏面には、富士山と桜が描かれています。


2004年から新紙幣になり、早18年。私たちが安心してお金を使うためには、信頼されたお金であること、つまり、偽造されたお金が市場に出回らないことが大切です。最先端の技術を使って偽造されないようにすること、また時代の流れもあり、誰にとっても使いやすいユニバーサルデザインを採用した紙幣に変更することが発表されています。


では、いつから新しいお札を私たちが手に取って見ることができるのでしょうか?新札の発行時期は、『2024年度上期』となっていますので、あと2年後には手に取って利用することができそうです。新札に描かれることになる人物は、一万円券「渋沢栄一」、五千円券「津田梅子」、千円券「北里柴三郎」です。お札の人物はどう選ばれるの?という疑問があると思いますが、日本国民が世界に誇れる人物でよく知られていて、偽造防止の目的から、精密な人物像の写真や絵画を入手できる人物である、などの理由を元に明治以降に活躍した文化人から選ばれているそうです。


新一万円札の表面に描かれることになる渋沢栄一は、大河ドラマ「青天を衝け」をご覧になっていた方は身近かもしれません。現在のみずほ銀行や東京商工会議所、東京証券取引所など、約500社の企業などの設立・経営に携わり、「日本資本主義の父」と称されています。ちなみに、裏面には、東京駅(丸の内駅舎)が描かれることになります。国指定重要文化財である丸の内駅舎は、平成24年に創建当時の姿に復原されています。青森と東京をつなぐ玄関口になりますが、とても素敵な建物ですよね!


新五千円札は津田梅子。日本で初めての女子留学生として、岩倉遣外使節団とともに幼くしてアメリカに渡った方で、現在の津田塾大学の創立者です。英語教育や個性を尊重する教育など、女子教育の先駆者となりました。裏面には、フジ(藤)が描かれます。新千円札は北里柴三郎で、「近代日本医学の父」として知られる微生物学者・教育者です。ペスト菌を発見、北里大学、慶応義塾大学医学部、日本医師会などの創立者でもあり、青森県十和田市には北里大学十和田キャンパス(獣医学部など)がありますので、ご存じの方も多いかもしれません。裏面には、葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」が描かれ、浮世絵の荒々しい波の様子は、一度は目にしたことがあるものでしょう。


これらの新しいお札になるまでに、あと2年。普段使っている、野口英世の千円札、五千円札の樋口一葉、一万円札の福沢諭吉を見るのももう少しということになりますので、少し意識しながら使ってみたいと思います。


また、500円貨幣は、令和3年11月1日から新しいものに少しずつ切り替わっているようで、こちらも最新の偽造防止技術を用いて変化をつけています。表面は、500円の数字の「00」部分が、ゼロの真ん中に、上から見ると『JAPAN』の文字が浮き上がり、下から見ると『500YEN』の文字が浮き上がるようになっています。裏面は貨幣の淵あたり、東西南北の方向に、500YEN(東西)、JAPAN(南北)の文字がそれぞれ追加されます。淵の部分は「異形斜めギザ」が採用されて、ギザギザ部分が均等ではないところができています。


お金は、時代と共に最先端技術を取り入れながら進化してきています。20年くらい前に携帯電話ができ、10年くらい前にはスマートフォンができて、その中でお金の決済ができるようになり、国際的な送金にはブロックチェーン技術が使われるようにもなってきています。ただ、現金としての紙幣や貨幣はまだまだ日常生活に使われると思いますので、新しいものがお目見えすることを覚えておいてください。お金の100年後、どんな変化を遂げているのでしょうね。

おしえてムーラン

働くことの意義

先月23日は「勤労感謝の日」でした。私などは休日のひとつくらいにしか感じていませんが、祝日法には「勤労を尊び、生産を祝い、国民互いに感謝し合う日」と制定されているとのこと。また、日本国憲法27条には「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」とあります。この“義務”の解釈は学者によって異なるところもあるものの、一般的には働くことで暮らしを営み、社会に尽くす義務というものと解されることが多いようです。今を去ること50年前、私がまだ小学校低学年だった頃「モーレツ」という言葉が流行していました。高度経済成長の最中、多くの日本人が敗戦から立ち直り、文字通りモーレツに働いていたことに端を発した言葉ではありますが、石油会社が女性モデルを使って煽情的な広告戦略を展開したのが最たる要因と思います。閑話休題、いずれにしても今にして思えば当時の日本人は明日への希望に満ち溢れ、勢いづいて仕事をこなしていたのだと思います。それは、1980年代の世界に冠たる経済大国ニッポンを自認するほどまでになったバブル期まで続き、やがて終焉を迎えることになります。

すべからくフラッティングしていく。

様々なことは平準化していく傾向があります。それは情報量の多い世の中ほど加速して平準化していく傾向が強いように感じますが、人間という生き物が“ラク”と感じる方向でマネをしやすいものは、滑らかに取り入れられがちです。日本が経済大国と言われるようになると欧米からは「日本人は働きすぎ」とみられるようになりました。そして当の日本人も、どこの国には仕事中に昼寝をする習慣があるとか、長期間の休みであるバカンスがあることを羨ましい―私たちもそうありたい―と感じるようになっていったように感じます。ミクロ経済学の中でも労働供給者(=消費者)の労働選好として、賃金率が高くなるに従って労働時間が増えますが、その賃金率が一定水準を超えると余暇を選択するというものがあります。現在の日本の賃金率は、他の先進国と比較して高いとは言えない水準になってしまいましたが、先が不透明なことによる意欲の減退なのか、働くということは生活の糧を得る手段であって、楽しいものではない―ある一定の年齢でリタイアしたら働かずに悠々自適に暮らしたいという願望を持つのが当たり前のような空気になっているような気がします。一方では、2年前に言われた「2000万円問題」から老後の生活資金不足への不安も懸念されており、一国全体としては心理的にバランスを欠いた状態である気がします。

FIRE

そうした中で「FIRE」と言われる人たちが増えているとテレビで放送していました。FIREとは「Financial Independence, RetireEarly」の略で、「経済的自立と早期リタイア」によって自分の時間を過ごせるようにする生活スタイルを意味するのだそうです。テレビでは30才台半ばの男性が公務員を退職し、株や債券、不動産を合わせた約6千万円相当の資産を元手に運用しながら、いわゆる仕事はせずに生活している様子が映し出されていました。

是か非か?

このような暮らし方の是非は簡単に独善的に判断できるものではないのは事実です。但し、極論として国民のすべてがFIREになってしまうと国際競争で勝ち抜けないことは確かだと思います。また一方では、どのような稼ぎ方であれ、収入があって納税していれば国民の義務は果たしているわけですから、FIRE本人にしてみれば非難されるいわれはないところでもあります。

45歳定年論争

某会社の社長が「45歳定年」を提唱しました。経営者がこのようなことを言うと「体(テイ)のいいリストラ策だ」との批判の声が上がりましたが、ある大学教授も2012年に「45歳定年」案を出しています。この教授は、技術革新もあり一つの会社で働き続けることの難しさを提唱の背景としていますが、同時に長く働くためには人生のどこかで小休止して次のキャリアに向けた学び直しが必要と記しています。私は39歳で某企業を退職しました。後先も考えず、何かを見つけたいような気分で会社を辞め、勉強ばかりしていた時期がありました。が、そうした生活をしていると社会から取り残されたような気分になり、経済的な部分とはまた別に“働くことで社会の一員としての自分を実感したい”という想いに駆られました。兎にも角にも、公助は一定数以上の自助者無くして成立しないことは明らかだと思います。

おしえてムーラン

年金って?ちょっぴりおさらいし てみた。

「青森県内地価、30年連続の下落」の見出しが9月下旬に新聞で踊っていた。県の発表によると住宅地や商業地、工業地などを合わせた全用途の変動率は前年比1.1%減で30年連続の下落。前年に引き続き新型コロナウイルスの影響を受けたため、商業地で上昇した地点は皆無だったとのこと。確かにそうだろうな…と肌感覚でも感じている。私自身、コロナ前は繁華街で食事や飲み会、買い物などを毎月といっていいくらい楽しんでいたけれど、今は皆無と言っていい。その代わり、ガーデニングや自炊にハマったり、日頃の気分転換にはできるだけ人のいない場所…たとえば山や海へ出かけるようになった。先月号の弊社パートナーである粟原さんの記事にも、人の消費行動の変化が家計調査報告のデータを参考に綴られていたが、彼の記事を読んで「うん、そうそう!」と共感することが多かった。たとえば服飾雑貨や理美容代や外食代。私もデータ同様コロナ以降は大幅減だ。洋服にしろ、美容院代にしろ、外食代にしろ…急にそれらに対する「欲」が萎んだ気がする。生活習慣や仕事内容が少なからずコロナ禍で変わったことが引き金になっているのは自覚しているが、自身の価値観をここまで変えてしまったことに一番驚いているのは自分自身かもしれない。

さて。前置きが長くなったが、先般の自民党の総選挙の際に各候補者から挙げられたテーマのひとつである「年金」を取り上げてみる。候補者の一人が話していた「このままでは現役世代の負担が増え、高齢者の年金が減額されるため、基礎年金は全額税(消費税)方式にし、将来的には積立方式へ移行」という意見…皆さんはどう受け止めたのかな。尤もらしく聞こえたのかしら?内閣府の令和2年版高齢社会白書(全体版)によると、出生率の減少率以上に死亡率の増加率のほうが今後高くなることが示されていた(出生数及び死亡数の将来推計)。ということは、現役世代と高齢世代の比率は、いずれ改善していくのではないのかと。つまり「現役世代の負担が増え」も改善されるのでは?そして令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大。これも現在所得控除の範囲内で働いている第3号被保険者の方が厚生年金も受給できるようになれば、基礎年金部分+厚生年金部分を受給できるようになるため、世帯全体でみれば受給額UPになるはず。次に「基礎年金は全額消費税方式」の件。これって民主党政権時代にすでに失敗したんじゃなかったっけ?って思ったのは私だけでしょうか?消費税率の引き上げによって得られた増収分の一部は、既に老齢基礎年金の財源として活用されているし、既に年金をきちんと払い終わった方からしたら、年金を払ってない人と同額の基礎年金額では不公平だと感じると思う。そして「将来的には積立方式へ移行」の件。積立方式は簡単に言うと、自分で年金保険料を現役時代に積み立てて、将来自分で使う方式。現在採用されている賦課方式は現役世代の年金保険料を高齢世代の年金支払いにあてる仕送り方式。そもそも国民年金制度が始まった頃と現在とでは平均寿命も違う。当時は70歳程度を平均寿命で制度設計していたというし、仮に積立方式になったら、70歳以上まで生きた場合は長生きした分の年金は受給できないってことになるのかな…。

年金は長生きリスクに備えるための“保険”。自民党の総選挙は、私には自分の働き方やライフプランを再考する良い機会になった。

おしえてムーラン

Withコロナの中での生活・仕事 ・消費行動の変化

新型コロナウイルスワクチンを8月に1回目、そして、9月に2回目の接種を受け、微熱がある中でのコラム執筆となっています。2020年初頭から今に至るまで、私たちの生活はいままで当たり前だったことが当たり前ではなくなりましたが、その中でもテクノロジーの進化など含めて、急速に使われるものも増えてきたと思います。


例えば、オンラインでの会議、面談、打ち合わせなど。私の場合ですと、仙台にて2ヶ月に1度会議がある場合には、朝早くに出発し会議に出席、その日夕方以降に戻ってくる日帰りがメインでした。2時間の会議に、新幹線の往復で3~4時間と、ほぼ1日がなくなってしまう計算ですが、会議をオンラインで行うことができるようになってからは、午後の時間を有意義に利用できるようになるなど、時間価値がより高まっているような気がしています。もちろん、実際に人に会って対面で話をする、という基本原則は変わることがないと思いますが…


人の消費行動にも変化があらわれています。『家計調査報告(家計収支編)、2020年(令和2年)平均結果の概要』を参考に、新型コロナウイルス感染症による家計への影響(二人以上の世帯)を見てみます。外出自粛、在宅勤務、店舗の営業時間短縮などにより、食事代、交通費、旅行関係費などが大きく減り、家の中でより良く過ごすための食材、家電への支出が増加、感染予防のための衛生用品への支出が増えました。外出する機会が減ったことや、休業要請などの影響で、洋服など半耐久財と呼ばれるものも大きく減少しています。2020年の4月で見てみますと、洋服類、シャツ・セーター類、履物類などは対前年同期比-58%~-68%、教養娯楽サービス(宿泊料・旅行費・映画・遊園地代など)、外食、交通費なども前年同期比で-53%~-73%と大幅減となり、それぞれの産業に大打撃を与えていたことがよくわかります。


4月、5月には消費が大きく落ち込んでいましたが、一人一律10万円の「特別定額給付金」の支給があり、6月に消費は急回復しています。仕事などを失ってしまった方、売り上げが落ちてしまった自営業者などは、給付金がありがたかったのではないかと思います。生活のために給付金を充てた世帯もあるでしょうし、緊急でお金に困っていなかった世帯では外出自粛などの影響もあり、家庭用耐久財、教養娯楽用耐久財などのいわゆる、テレビ・電気洗濯機・冷蔵庫・炊飯器・電気掃除機など、家の中でより良く過ごすための購入に充てられたという結果になっているようです。


その他、特徴のある品目で見てみますと、食料では、パスタ・即席麵・チューハイなどの購入が伸びた一方、外での食事代・飲酒代が大幅減となりました。仕事関係の方や友人などと会食をする機会が減り、家族と一緒にご飯を共にする時間がより増えました。また、リモートワーク含め出歩かなくなったことによる、鉄道運賃、バス・タクシー代、航空運賃、有料道路料が大幅減となり、家の中で仕事をするためのパソコン、巣ごもりのためのゲーム機・ゲームソフト類などの大幅増など、人々の行動の変化が良くわかる結果となりました。


消費行動の変化を見てきましたが、現状は飲食店関係含め、そこに付随する産業が大きく影響を受けています。コロナワクチンの接種率が改善していく中で、私たちにできる感染予防をしながらも、少しずつ日常を取り戻していくことも大切ではないかと思います。医療従事者の方々に感謝をしながら、2年前の生活に戻れる日が一刻も早くきてくれることを望んでいます。

おしえてムーラン

養護老人ホームってご存知ですか?

オリンピック開催前は(開催中も?)開催について賛否両論あったけれど、結局7月23日に開幕した東京オリンピックでは連日、日本選手の金メダルのラッシュは続き、ついテレビのライブ放送にくぎ付けになった方が多かったのではないでしょうか(かく言う私もその一人ですが)。どの選手も、このオリンピックのために日々厳しい練習を積んで舞台に立っていたのだと思うし、各選手の気迫や息をのむレース展開に感動している自分がいました。…ちょっと熱くなりました。本線に戻りますね。先日「ヤングケアラー」の特集をしている記事を読みました。小学生の子供が、認知症や病床の親を介護している記事です…こんなに小さな子供が、自分のやりたいことや今しかできないことをできずに、親の世話をけなげにしなければならず、決して家計もラクではなく、そんな中で生きている。親の病状が悪化したときは自分の自転車の後ろに乗せて病院まで運ぶとか…やるせない気持ちでいっぱいになりました。大人でさえ、精神的にも肉体的にも介護するのは大変なのに。「助けを求めたくてもどこに求めていいのかわからない」とその子は話していましたが、それは大人でも子供でも変わらないことなのかもしれないと思いました。行政を批判する気持ちはありません。でも、制度を作る側で、本当に窮している人の立場を考えてくださっている方がどのくらい存在しているのかなとは度々感じます。自分から動かなければ、情報を仕入れることもできないし、問題も解決できるのか、できないのかさえわからない。その問題解決のためにどこに聞いたら良いのか、誰に聞いたらいいのか。集めた情報の中でもどれが自分にとって、または相手にとって有益な情報なのか…。判別するにあたって結局は、実際に担当者の話を聞いたり、現場に行って話を聞いたりしないとわからないものだなと毎回思います。

前置きが長くなりましたが、今回は久しぶりに「終の住まい」ネタです。特養、老健、有料老人ホーム、サ高住、グループホーム…このあたりは皆さんも聞いたことがあるものもあるかもしれませんね。では「養護老人ホーム」というのは聞いたことがありますか?養護老人ホームは、精神的な理由や経済的・家庭環境などを理由として、自宅では生活ができない高齢者を受け入れる福祉施設です。希望すれば誰でも入れるわけではなく、「自治体」が必要と判断した場合にのみ入居できます。(ちなみに特別養護老人ホーム(特養)をはじめとする介護施設の場合は、高齢者側と「施設側」が契約を交わさないと入居できません。)ではどのような方を対象としているのかというと、「年齢65歳以上の方で、身体が弱ってきた、一人暮らしが困難になってきた、住む所がなくなったなどの理由により、居宅において一人で生活することが困難な市町村民税非課税(生計中心者に市・県民税の所得割が課税されていない世帯)の方」とのことです。基本的に養護老人ホームは主に高齢者の自立支援を行っていますが、介護が必要な方には介護サービスを提供している施設もあります。

もし、上記の内容に心当たりがあるのなら、お住いの市町村の高齢介護保険課、最寄りの民生委員、又は地域包括支援センターにご相談されてはいかがでしょうか。まずは情報収集の一歩を踏み出すことができるはずですよ。

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