おしえてムーラン

年金って?ちょっぴりおさらいし てみた。

「青森県内地価、30年連続の下落」の見出しが9月下旬に新聞で踊っていた。県の発表によると住宅地や商業地、工業地などを合わせた全用途の変動率は前年比1.1%減で30年連続の下落。前年に引き続き新型コロナウイルスの影響を受けたため、商業地で上昇した地点は皆無だったとのこと。確かにそうだろうな…と肌感覚でも感じている。私自身、コロナ前は繁華街で食事や飲み会、買い物などを毎月といっていいくらい楽しんでいたけれど、今は皆無と言っていい。その代わり、ガーデニングや自炊にハマったり、日頃の気分転換にはできるだけ人のいない場所…たとえば山や海へ出かけるようになった。先月号の弊社パートナーである粟原さんの記事にも、人の消費行動の変化が家計調査報告のデータを参考に綴られていたが、彼の記事を読んで「うん、そうそう!」と共感することが多かった。たとえば服飾雑貨や理美容代や外食代。私もデータ同様コロナ以降は大幅減だ。洋服にしろ、美容院代にしろ、外食代にしろ…急にそれらに対する「欲」が萎んだ気がする。生活習慣や仕事内容が少なからずコロナ禍で変わったことが引き金になっているのは自覚しているが、自身の価値観をここまで変えてしまったことに一番驚いているのは自分自身かもしれない。

さて。前置きが長くなったが、先般の自民党の総選挙の際に各候補者から挙げられたテーマのひとつである「年金」を取り上げてみる。候補者の一人が話していた「このままでは現役世代の負担が増え、高齢者の年金が減額されるため、基礎年金は全額税(消費税)方式にし、将来的には積立方式へ移行」という意見…皆さんはどう受け止めたのかな。尤もらしく聞こえたのかしら?内閣府の令和2年版高齢社会白書(全体版)によると、出生率の減少率以上に死亡率の増加率のほうが今後高くなることが示されていた(出生数及び死亡数の将来推計)。ということは、現役世代と高齢世代の比率は、いずれ改善していくのではないのかと。つまり「現役世代の負担が増え」も改善されるのでは?そして令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大。これも現在所得控除の範囲内で働いている第3号被保険者の方が厚生年金も受給できるようになれば、基礎年金部分+厚生年金部分を受給できるようになるため、世帯全体でみれば受給額UPになるはず。次に「基礎年金は全額消費税方式」の件。これって民主党政権時代にすでに失敗したんじゃなかったっけ?って思ったのは私だけでしょうか?消費税率の引き上げによって得られた増収分の一部は、既に老齢基礎年金の財源として活用されているし、既に年金をきちんと払い終わった方からしたら、年金を払ってない人と同額の基礎年金額では不公平だと感じると思う。そして「将来的には積立方式へ移行」の件。積立方式は簡単に言うと、自分で年金保険料を現役時代に積み立てて、将来自分で使う方式。現在採用されている賦課方式は現役世代の年金保険料を高齢世代の年金支払いにあてる仕送り方式。そもそも国民年金制度が始まった頃と現在とでは平均寿命も違う。当時は70歳程度を平均寿命で制度設計していたというし、仮に積立方式になったら、70歳以上まで生きた場合は長生きした分の年金は受給できないってことになるのかな…。

年金は長生きリスクに備えるための“保険”。自民党の総選挙は、私には自分の働き方やライフプランを再考する良い機会になった。

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